2005年09月28日
過敏性腸症候群:Irritable bowel syndrome:IBS
過敏性腸症候群(IBS)とは腸に形態的な異常がないにもかかわらず、
腸が正常に機能しない病気です。
過敏性腸炎とも呼ばれます。
「緊張」や、「不安」などの精神的ストレスによって、ひきおこされる
「腹痛」と「便通異常」をおこす症候群です。
なんと、胃腸の不調を訴える人の50%(40~70%)は、
この過敏性大腸症候群だと言われています。
もちろんこの病気を診断するには、診察を受けて
「クローン病」、「潰瘍性大腸炎」、「大腸癌」など
重大な病気がないことを確認しなくてはなりません。
【症状】
※便秘型
※下痢型
※便秘下痢交替型
特長は
※若い女性に多い
最近は40~50代の男性にも増えている
※腹痛の部位が漠然として一定ではない
痛みは持続性のこともあれば、発作的な痛みのこともあります
※眠っている間には症状はありません
※その他腹部膨満感、腹鳴、食欲不振など
※上記症状にくわえて、動悸、めまい、頭重感、疲労感など
ストレスの症状を伴います。
【治療】
薬物療法: 胃腸の機能を調整する薬、
下痢のひどいときは下痢止め、抗コリン剤、
ストレスに対する向精神薬などが処方されます。
【食生活の注意】
アルコール、カフェイン、香辛料、冷たいものをひかえる。
暴飲暴食を避け、規則正しい食事をこころがけましょう。
【日常生活の注意】
ライフスタイルの改善とストレスコントロール
【日記を書いてみよう】
・下痢や便秘の回数
・腹痛の程度
・その日の気分
・食生活の変化
・行動
自分の気分や生活が症状にどのように関係があるのか
自己分析してみましょう。
症状が悪化する原因が見つかったら、ライフスタイルを
見直しましょう。
【過敏性腸炎のサプリメント】
Natural Medicines Comprehensive Databaseで調べてみました。
<効果があるもの>
ビフィズス菌
サイリウム
グアガム
小麦ふすま
<証拠がはっきりしないもの>
アーティチョークエキス
カプサイシン
ラクトバチルス
メラトニン
ペパーミントオイル
<効果があるもの>
※ビフィズス菌 毎日麦芽乳飲料で10億個のビフィズス菌を8週間飲むとIBSが軽減する
ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属と連鎖球菌の組み合わせがIBS徴候を改善するように見えます。
※サイリウム
メルマガに以前書いていました。
サイリウムは便秘を改善し、腹痛を軽減させ下痢を防ぎます。
4週間の使用で症状は軽減する。
※グアガム
軽度~中等度のIBSの患者の腸管機能を改善させる
小麦ふすまより効果的
※小麦ふすま
グアガムほどではないが、IBS患者の腸管機能を改善させる
<はっきりとした証拠に欠けるもの>
※アンティチョークエキス
6週間使うとIBSが軽減する
※カプサイシン
IBSには効果はない
※ラクトバチルス
IBSには効果はない
※ペパーミントオイル
腸溶性のペパーミントオイルはIBSの腹痛、膨張、鼓腸と便通を減らすという論文もあるが、
同様の量を使っても同じ効果は認めないという論文もある。
【漢方薬】
漢方では
啓脾湯が使われます。
【過敏性腸炎の代替医療についてのReview】
1966年から2001年までのMEDLINE databaseで調査した
Review がありました。
この論文によると、
IBSの頻度は、女性の14~24%
男性の5~12%
一般の診療所を訪れる患者の12%、胃腸科を訪れる患者の28%
が過敏性腸炎である。
過敏性腸炎はQOLを低下させ、長期欠席の原因になりやすく、医療費が
かさむと記載されています。
そして、代替医療につき効果の有無を示しています。
【漢方薬】
薬の名前の記載はないのですが、16週間使用すると
プラセボより効果が高い。
【アーユルベーダ】
プラセボと比較しても、差はない。
【しょうが:ジンジャー】
船酔いと妊娠悪阻には効果は認められるが、過敏性腸炎には
効果は認めず。
【アロエ】
便秘型の過敏性腸炎につかわれる。
アロエは一般に使われる安全なハーブですが、
アロエを単独で過敏性腸炎に使用した論文はありません。
アロエとサイリウムなどを併用して便秘は改善したが、腹痛には
効果はなかった。
【ペパーミントオイル】
過敏性腸炎にはよく使われる方法です。
効果があったという論文もありますが、
効果を認めないというものもあり、効果は不明と結論しています。
【ラクトバチルス】
過敏性腸炎では小腸内のバクテリアが増加しているという考えから、
ラクトバチルスが使われます。
6~52週間の使用で腹鳴、腹痛、排便の満足感をえられた。
オリゴフラクトースやイヌリンには同様の効果はなかった。
【食事制限】
下痢型の過敏性腸炎では、ミルク、小麦、卵などの除去食で
症状が軽減する。
【心理的療法】
Hypnotherapy:催眠療法
Psychotherapy:精神療法
Behavior therapy:行動療法
通常の治療に上記心理学的アプローチをすると、不安やストレスが
軽減され、過敏性腸炎の症状も軽減する。
【運動も大切】
活動的な肥満の人は消化器痛やIBSは少ない
投稿者 Dr.Michiko-Daimon : 2005年09月28日 23:29
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