エストロゲンは脳を守るホルモンだと、言われています。
経験上は、更年期によく物忘れをする人がいることを考えるとエストロゲンは脳を守るホルモンのように思います。痴呆の母親に内服させるとはっきりしてよかったという医師の話も聞いたことがあります。
しかし、雌マウス閉経モデルの実験では、記憶力を亢進させる作用は認めれれなかったということです。
残念‥‥
Neuroscience(2004; 128: 459-471)より
集団で収容し遊具を与えないという<標準的な環境>,または 1 日 3 時間,走行回転輪,円筒などのマウス用遊具を入れた大型ケージに収容して<刺激を与える環境>で雌マウスを飼育しています。
標準環境下で飼育したマウスでは,高用量のエストロゲンを投与した後,空間および物体記憶が有意に改善した。
一方,多刺激環境に置いたマウスの記憶は,エストロゲン投与により影響を受けないか,もしくは減退した。刺激環境で飼育しエストロゲンを投与しなかったマウスでは,空間記憶が有意に改善した。また,行動上の変化は記憶に関与する脳部位の変化も伴っていた。
これらのデータは,エストロゲンが認知機能や身体機能を刺激する環境よりも刺激しない環境で飼育したマウスで効果を及ぼすことを示唆していると述べている。
閉経したら、ホルモン補充療法をするよりは適度に運動をして、身体機能を刺激するほうがいいということなのでしょうか。
運動は加齢による認知機能の低下を防ぐといいますから、薬よりは運動の法が大事ということのような気がしてきました。
オランダの男性高齢者の10年間の調査によると、サイクリング、散歩、庭いじりなど何か運動をしていと認知機能は保たれる。何もしないと機能低下が3.6倍も進むそうです。
年をとっても何か興味や趣味を持って絶えず脳を刺激しておく必要があるようです。
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月30日 |パーマリンク |コメント (0)
<ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(ニューヨーク)のJoseph Anderson博士らは,肥満女性ではbody mass index(BMI)の同等な男性または正常体重の女性より結腸直腸腫瘍形成リスクが高くなることを米国消化器病学会(ACG)の年次集会で報告した。>
なんとそのリスクは正常体重の5.2倍にもなるそうです。
今回の研究では,ポリープ,高度異形成または癌を検出する目的で結腸鏡検査を施行した患者2,300例(男性1,250例,女性1,050例)を対象とした。
高度肥満とみなされるBMI 40kg/m2の女性における著明な結腸異形成の検出率は,BMI 25kg/m2以下の正常体重とみなされる女性の5.2倍であった。また,その研究結果は年齢,喫煙,飲酒,結腸直腸癌の家族歴について調整された。
BMI40というとかなりの肥満です。身長155センチで96.1kgの計算になります。日本人にはそれほどの肥満の女性はまだ少ないので関係ないかも知れません。
けれども最近は妊婦さんでも100kg近い方を経験するようになりましたから、日本でも将来同じことが言えるようになるのでしょう。
言いにくいですが、
「痩せんと大腸癌になるよ」
と注意を促すべきでしょうか。
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月30日 |パーマリンク |コメント (0)
葉酸は,血管に損傷を与える血中成分ホモシステインの濃度を低下させることが実証されている。また血管を弛緩させ,血流を改善することが知られています。
若年者に葉酸のサプリメントが高血圧のリスクを軽減するというレポートが相次ぎました。日本では厚生労働省は妊娠前から食事に加えて400μgの葉酸のサプリメントを摂取することを勧告しています。最大許容摂取量は1000μgです。
葉酸摂取で女性の高血圧リスク低下 8年間のフォローアップで確認
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月23日 |パーマリンク |コメント (0)
20代の独身女性の4人に1人がほぼ毎日、ビタミン剤などのサプリメント(栄養補助食品)を口にする一方、朝食をとる人は減少。農水省や農協でつくる「朝ごはん実行委員会」のアンケートで11日、こんな結果が明らかになリました。
「ほとんど毎日利用」が27・6%
「週に何回か利用」(13・4%)
「たまに利用」(29・0%)
全部合わせると、サプリメント利用者は70%に上るそうです。
妊婦さんも同様にサプリメントをとる人が多いようです。
この間も質問されました。
「これ飲んでるのですが、かまいませんか?」
≪スピルリナ≫と書いてあり、見ると特保マークがついています。特定保健用食品ならば食品なので大丈夫かしらと言いつつも、恥ずかしながらスピルリナって何?知らんしなあ?
などと考えていると、患者様は、「やめときます」とおっしゃいます。
気になるので調べてみました。
スピルリナ[英]Spirulina [学名]Spirulina platensis (ユレモ科)
まず百科事典で調べてみました。
ラン藻綱ユレモ科の1属で、地球上に最初に出現した原始的な原核生物であるといわれ、その一つを顕微鏡で見ると、らせん状をしているので、ラテン語で「らせん」を意味するスピルリナと名付けられました。細胞糸が規則正しくらせん状に巻くことが特徴です。海にも生育するが淡水産の種類が多い。日本には約10種類の生育が知られています。
アフリカのチャド湖の北に点在する天然の炭酸ナトリウムを高濃度に含む小さい湖にはスピルリナの1種が大量に産し、土地の人はケーキにして食べる。
このラン藻は藻体の乾燥重量の45?49%に及ぶ多量の蛋白質を含み、光合成によって高い生産性を示す。
1970年代に紹介されて以来、その栄養面から注目を浴びた植物プランクトンであり、主にタンパク質やミネラルの優良な供給源として工業化されている。
国立健康・栄養研究所のデータベースで調べてみましたが、食物タンパク質、ビタミンB、鉄源として有効であろう ということくらいのようです。
そして安全性は
・重金属などの不純物がなく、また肝毒性のあるミクロシスチンが含まれていないスピルリナ種を摂取する場合、安全性が示唆されている。しかし、ミクロシスチンを含むものは肝毒性があり、摂取するのは恐らく危険と思われる。小児はさらに感受性が高いため危険である。従って検査されていない製品の摂取は全て避けたほうが良い。
・妊娠中及び授乳中の安全性については十分な情報がないため、摂取は避けたほうが良い。
・フェニルケトン尿症の症状を悪化させる可能性は否定できないことから、既往のある人は使用を避けること。
やっぱり妊娠中は避けた方がよい食品と言うことがわかりました。
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月16日 |パーマリンク |コメント (0)
この間恩師が手術を受けました。
内視鏡での手術なので思いのほか入院期間は短くてすみました。ところが高齢なため短期間でも、寝付くと筋肉の廃用萎縮が起こるので、足が一番弱ったとおっしゃいます。
「一生懸命歩いているけどまだフラフラするよ」と
こんな高齢者に朗報です。
病院のベッドに寝たきりの高齢患者や外傷患者,1回の飛行で何週間も無重力状態を体験する宇宙飛行士など,日常生活動作(ADL)や運動を行わない人には必ず筋萎縮が伴う。テキサス大学医学部門(テキサス州ガルベストン)のDouglas Paddon-Jones博士らは,必須アミノ酸と炭水化物の栄養サプリメントを用いて筋萎縮プロセスと闘う方法を突き止め,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(2004; 89: 4351-4358)に発表した。
Paddon-Jones博士らは「最も驚嘆すべきは,運動をしなくてもサプリメントで筋肉量を保持できることである。28日間の床上安静期間中にサプリメントを補充すると,筋肉量の減少を抑えるという筋肉増強の刺激をもたらすことをデータは示している。しかし,筋肉量を保持しても運動などの神経・筋刺激がなければ,筋力を完全に維持することはできない」と述べている。
高齢患者に関しては,疾患やけがで病院のベッドに長期間寝たきりになると,回復できない筋力低下と筋肉量の減少が多くの高齢患者で認められる。サプリメントは多くの患者に重要な影響を与えるだろうとしている。
同博士らは,健常男子志願者(26?46歳)13例を28日間ベッドに寝たきりにさせ,うち 7 例に必須アミノ酸と炭水化物を含む飲料(サプリメント)を,6 例に栄養価のないプラセボを 1 日 3 回摂取させた。
最先端のリアルタイム筋蛋白質合成測定,生検,MRI,X線写真,筋力検査などを行い,得られたデータを検討した。その結果,サプリメント投与群では全例がもとの下肢筋肉量を保持していたのに対して,プラセボ群は平均して約 1 ポンド(約0.45kg)の下肢筋肉量を喪失したことがわかった。
下肢筋力低下は,プラセボ群がサプリメント群のほぼ 2 倍に達した(‐17.8kg対‐8.8kg)が,下肢脂肪量の増加は両群で同等であった。サプリメント群では体重に変化はなかったが,プラセボ群では平均2.4kg の体重減少が認められた。体脂肪量の増加は両群で同等であった。
16時間の複合筋蛋白質の分画合成率(fractional synthetic rate;FSR)は,サプリメント群では変化しなかったが,プラセボ群では低下傾向が認められた。
筋蛋白質動態の追跡に用いた16時間の平均フェニルアラニン消失速度は,28日間の床上安静を通じて変化しなかった。フェニルアラニンの消失は蛋白質の合成を,その存在は蛋白質の崩壊を示す。
必須アミノ酸が筋肉量喪失を抑制
サプリメント摂取後における正味のフェニルアラニン平衡の増加は,食事摂取後に比べて有意に大きくなった。対照的に,プラセボ摂取後の正味のフェニルアラニン平衡は変化しなかった。下肢血流量は,サプリメント群とプラセボ群の間で有意差は認められなかった。床上安静による変化も認められなかった。
サプリメント群には 1 日16.5gの必須アミノ酸と30gの炭水化物を投与した。水は随意に飲ませた。また,毎日 3 回の食事は 1 日栄養摂取量を等分に分け,炭水化物,脂肪,蛋白質がそれぞれ58%,27%,14%を占めるようにした。全例に床上安静を始める前 5 日間の食事安定期間を設け,前試験を行った。
Paddon-Jones博士らは,安静臥床による不活動期の筋肉量と筋力を維持するのに抵抗運動が利用できることは,既に複数の研究で示されていると指摘。しかし「病院で実際に診る患者は運動能力を損なうような障害や疾患を負う。栄養による介入は現実的で容易に施行できる数少ない代替法の 1 つかもしれない」としている。
そのうえで,同博士らは「筋力の保持には運動などの神経・筋刺激も必要とされるが,移動や運動の能力が低下した患者における筋肉量の喪失の抑制に,必須アミノ酸サプリメントの投与は便利で実用的,かつ有効な方法であるかもしれない」と結論している。
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投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月13日 |パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (1)
医師は健康食品を嫌う人がよくいます。それはどうしてかというと、健康食品を大量に飲んでとんでもない肝機能障害をきたすひとがいたりするからです。
健康に不安がある人は、安易に健康食品に頼らず、医師に相談してほしいと思います。しかし実際のところは巷にあふれる健康食品は多々あり、知らないものたくさんあります。
この間も「これ飲んでいいですか?」と患者様に聞かれましたが、「これ何やろ?」と思うものがあります。
サプリメントアドバイザー試験には合格通知をもらいましたが、まだまだ知らなくてはならないことがたくさんあります。
どれくらいの医師が健康食品による副作用をみた経験があるのか、以前から知りたいと思っていました。このたび厚労省研究班が全国調査を発表しました。健康食品摂取後に肝障害3年間で95人と報告しています。
【2004年12月13日】
いわゆる健康食品の摂取後に肝障害を起こした患者が2001-03年で95人いたとする全国調査の結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・各務伸一(かくむ・しんいち)愛知医大教授)がまとめ、東京で開かれた日本肝臓学会東部会で10日、発表した。
研究班は、食品や成分の毒性というより、アレルギー反応や肝臓の薬物代謝機能の個人差が原因の「薬物性肝障害」が、幅広い健康食品で起きている可能性があると指摘。発表した石川哲也(いしかわ・てつや)愛知医大講師は「何らかの病気があるなど健康に不安を持つ人は、安易に健康食品に頼らず、摂取前に医師に相談してほしい」と訴えている。
研究班は、同学会の評議員(718人)のいる医療施設を対象に、薬物性肝障害についてアンケート。回答した235施設のうち189施設が「診断歴あり」とし、このうち健康食品が原因と疑われた患者は95人だった。
品目は30種以上で、ウコンを含む食品が36人と最多。ダイエット食品16人、健康茶・健康ドリンク7人と続いた。商品名や原産地などは尋ねていない。
ただ、これらは利用者が多く、製品の成分にばらつきもあるため、直ちに肝障害の頻度が高いとは言い切れないという。
回答した施設に詳細を聞いた2次調査では、18施設が34症例を報告。患者は高齢者や女性に多く、医薬品を併用している人が7割近かった。大半が健康食品の摂取中止で回復したが、調査した今年5月時点で改善していない例も1例あった。死亡報告は1次調査で1件あったが、2次調査への回答は届いておらず詳細は不明という。
1次調査では、健康食品を偽った中国産ダイエット食品などの無許可医薬品が原因と疑われる肝障害も36人いた。健康食品と無許可医薬品を合わせた131人のうち69%が入院していた。
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月07日 |パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (1)
北海道北見市内の焼き肉店で豚の内臓を食べた6人がE型肝炎ウイルス(HEV)に集団感染した恐れのある問題を受け、厚生労働省は29日、豚と野生動物の肉や内臓は十分に加熱調理するよう、あらためて消費者や飲食業者に周知徹底を促す通知を都道府県などに出した。
HEVは熱に弱く、加熱調理すれば感染を防げるが、厚労省は6人が豚レバーなどの内臓を生焼けで食べて感染した可能性があるとみている。
厚労省によると、6人は8月に焼き肉店で会食。うち60代の男性1人が9月下旬にE型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症し、死亡した。
さらに男性の息子の血液からHEVが検出されたほか、4人の血液からも感染歴があることを示す抗体が見つかった。息子が献血した血液を輸血された男性患者も、HEVに感染していた。
E型肝炎で死亡することがあるのですね。やっぱり豚肉はよくよく火を通すといけないということですね
投稿者: Dr.Michiko-Daimon|投稿日:2005年01月06日 |パーマリンク |コメント (0)
睡眠時間が短いと食欲を刺激するホルモンの量が増えるとする論文を米国の2つの研究チームが発表した。(2004年12月7日)
スタンフォード大学のチームは、30?60歳の約1000人を対象に普段の睡眠時間と血中ホルモンの量を調べた。
5時間睡眠の人は8時間睡眠の人に比べ、食欲を刺激するグレリンが15%多く、食欲を抑えるレプチンの量は16%少なかった。
対象者全員の7割を占める睡眠時間が8時時間未満の人に限ると、睡眠時間が短いほど肥満度は高かった。
シカゴ大のチームは20代の男性12人について2晩連続で4時間寝た場合と10時間寝た場合のホルモン量を比較。
4時間睡眠の後は、グレリンが増えて、レプチンが減り、空腹感が強まっていた。
スタンフォード大のチームは「先進国では慢性的睡眠不足が増えており、食べ物は簡単に手に入る。肥満が増えてもおかしくない」としている。
年のせいかだんだん目覚める時間がはやくなります。その結果必然的に休む時間は遅くなります。中年過ぎると、基礎代謝が下がり、睡眠時間も短くなります。ますます太ることになるんだなと妙に納得しました。